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お米が急に値上がりした理由は?|坪内さん・松山さんと一緒に考えてみた

期待の若手農家

2025.08.28

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お米の価格高騰が世間で話題となっていますが、
どうして急に値上がりしたのでしょうか?

本記事では、その理由について、農家さんの声を交えながらご紹介します。

お話を伺った人|坪内義和さん・松山幸史郎さん

今回の記事では、(株)JA東びわこアグリサービスで社員として働く坪内義和さん(34)と松山幸史郎さん(33)と一緒にお米が急に値上がった理由について解説します。

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右:坪内義和さん 左:松山幸史郎さん

坪内さん:
皆さんこんにちは。
(株)JA東びわこアグリサービスは、地域の集落営農法人をはじめとした担い手の高齢化や後継者不足といった課題への対策、また新規就農者の育成をする受け皿として経営しています。
簡単に言うと、担い手のいなくなった農地を預かり管理することで、耕作放棄地を防止して地域の農業が継続できるよう取り組んでいます。

松山さん:
現在は愛荘町と彦根市で約145haの面積を受託し、お米と小麦、大豆などを生産しています。
若手社員が多く、切磋琢磨しながら皆が前向きに農業に取り組んでいます!

お米が急に値上がりしたその理由とは?

価格が急に上がった理由は、お米が流通する様々な経路の中で、お米の取り合いが起きたからだと考えられています。

通常取引のなかった

令和6年、米不足の不安によって発生したと考えられる、業者間での「お米の取り合い」。
猛暑による生育不良やインバウンドによる和食の需要増加、南海トラフ地震への不安が重なり、一時的にお米が品薄になりました。
そこで、消費者や多くの業者が早くお米を手に入れたいと動きました。
結果、通常の流通ルートではないところでもお米の取り合いが起き、お米の値段が上がったのです。

それを受けて業者や小売店では、安価で販売できる外国産のお米を大量に輸入して販売する動きがみられました。
国産米離れなどを危惧したことから、政府は備蓄米の放出を決定し、現在に至ります。

こうした「お米の取り合い」について、お2人はどう思いますか?

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坪内さん:
これまでJAへ出荷していた分を、高く買い取ってくれる集荷業者の方へ回して出荷したという農家のお話をよく聞きます。
でも、ここでその農家さんを責めるのは間違いだと思っています。
皆さん本気で農業を経営しているわけですから、より高く買い取ってくれる業者へ出荷するのは、当たり前といえば当たり前ですよね。

松山さん:
その通りだと私も思います。
そして、その問題を根本から解決するのは決して簡単ではないことのようにも思います。
だからこそ、私たちが全員でお米や農業のことに目を向け、地域や国全体で改善の手立てを考えていく必要があるのではないでしょうか?

 

そもそも、お米が収穫できるのは基本的には1年に1回。
ですが、主食であるお米は、「一年中食べられること」がとても大事です。

収穫されたお米は、乾燥・調製・低温保管・精米など、様々な工程を経て家庭へ届くわけですが、それらを一貫して行っているのがJAです。
店頭に並ぶお米はもちろんですが、JAグループでは外食・中食・加工品事業者と事前契約を結び、新米の時期だけでなく、年間を通してお米を食卓に届ける大切な役割を果たしています。

ここで一つ、JAの取り組みを紹介します。
安定した供給のためには、安定した米作りを支える仕組みが大事です。
JAの例で言うと、農家は収穫したお米の販売をJAに委託し、その利益は生産者へ公平に分配される仕組みとなっています。

生産者は

JAは利潤を追求する会社とは異なり、組合員のくらしを豊かにすることが目的の協同組合です。
もしも卸売価格が低い時でもお米を引き受け、着実に販売することで、農家の経営・くらしを支えています。

 

坪内さんと松山さんが働く(株)JA東びわこアグリサービスでは、「安定したお米の供給」のために実施している取り組みはありますか?

坪内さん:
はい。様々な取り組みを進めていますが、収穫したお米はすべてJA東びわこに出荷しています。
JAの事業を積極的に利用することがJAを活性化させることになり、それが地域の食と農を守り、安全・安心な地域社会を実現することにつながります。
JA=農家だけが関係する組織。といったイメージが強いかもしれませんが、JAは農業を基軸にして、豊かな地域社会を築くことを目指しているんですよね。
だから農家、非農家問わず、JAの事業を利用して応援してもらうことが、私たち地域住民全体の利となって返ってくるわけです。

松山さん:
そういった意味で、私たちの周りにいる農家のスゴさをもっと知ってほしい気持ちがありますね。
地域には、凄腕の農業経営者がたくさんおられます。私たちの命を生み出す「食」を支えるヒーローとして、農家がもっと人気の職業になってほしいと思っています!

 

坪内さん、松山さん、ありがとうございました。

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坪内さん:こちらこそです!
松山さん:地域の皆で地域の農業を考えていきましょう!

 

 

記事を最後までご覧いただきありがとうございました。