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トマトの旨さが分かる抜群レシピ|トマト農家にきいてみた

農家のこだわり

おいしい食べ方

旬の食材(春夏)

2025.08.07

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トマトが旬の時期を迎えています。

この時期だけでなく、1年を通して食卓には欠かせないトマト。

トマトを栽培する農家さんは、家庭でどのように食べているのでしょうか。

農家さんが本当におすすめするレシピを聞いてみました。

Umelスナップ

「Umelスナップ」では、ショート動画でインタビューを行っています。

辻岡逸人さんのこだわり

彦根市甲崎町にあるビニールハウスでトマトを生産する辻岡逸人さん(54)にお話を伺いました。

Q辻岡さんが栽培するトマトと、そのこだわりについて教えてください
A大玉と中玉のトマトを「やさいの里」などのJA直売所や地域のスーパーへ出荷しています。
他の生産者が一般的にトマトを収穫しない時期に、私が収穫して出荷できるよう意識しているところです。
年度によって少しずつ変えてはいるものの、今年度は4月上旬~5月中旬、7月中旬~8月下旬、10月上旬~12月下旬が主な収穫時期です。
※野菜は工業製品ではなく農産物です。天候や生育の状況によっては店頭に並ばない場合がございますのであらかじめご了承ください。

私にとっておいしいトマトを作ることは当たり前で、義務に近い感覚とも言えます。
地域の売り場にほぼ年間を通じてトマトがある状態を維持し、私のトマトも他の方が作ったものも含めて食卓に「地元のトマトはおいしいね」といった笑顔を届けることが、私の農家としての喜びです。

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また、およそ年に2%ずつ価格を上げています。
JA直売所は委託販売方式により農家自身が値付けする仕組みですが、一般に市場を通じた出荷経路は農家自身が値付けをできず、相場に左右される仕組みが主流となっています。
農産物を生産するのに必要な資材価格の上昇が適切に反映されないと、農家にとっては非常に苦しい仕組みと言えます。
そのため物価の上昇に伴って、自身で値付けできる分だけでもコンスタントに適正価格に近付け、地域の農家が持続可能な経営を行えるようにする必要があると考えています。

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JA直売所では、出荷品に生産者名を記したラベルを貼り付けるようになっています。
名前を明らかにして販売することで、その生産者名を見てリピート買いしてもらい、それを受けて農家が更にやる気を生み出していく──
そういった循環を、もっと盛り上げていきたいと思います。

そのため、JA直売所以外の出荷先でも、私の名前を明らかにする形で販売してもらえるよう取り組んでいます。
そこが私の最もこだわっている部分だと言えますね。

 

Q農業だけでなく塾も経営されているんですか?
Aはい。「教育」に携わるのが、かねてからの想いでした。
しかし教育をビジネスにすると、どうしても利益を求めなければならなくなってしまうんですね。
だから農業を私のビジネスにして、家賃など維持費程度のお金だけもらって寺子屋を経営しています。
「二宮尊徳」然り、「吉田松陰」然り、偉大な教育者は共通して農家だったり、または農業を非常に重んじてきました。

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寺子屋では、子どもたちが新聞を読み、それをまとめて意見として発表するワーク、いわばコミュニケーションの本質を教えています。
相手が話していること、伝えたいことを理解し、対して自分の意見を適切な形で伝えること。
受験や就活をはじめ、将来のキャリア形成には欠かせない要素となってきますからね。

教育とは、知識を教えているのではなく、心を育んでいると思ってます。
学ぶって楽しいなと思えるようになるまでが大切です。

同じく農業とは、農産物を作っているのではなく、植物の心を育んでいると思ってます。
植物にも心がある。いつか証明されると思いますが、一生懸命育てていると、心があることに気が付きますよ。
植物がおいしくなりたいなと思えるようになるのが大切です。

結局、教育も農業もとてもよく似ているんですよ。

 

Q世間で認識されている「農業」のギャップについて教えてください
A農業は「食べ物を作る営み」と捉えられがちですが、古来より「衣」「食」「住」のすべてを支えてきました。
例えば衣類の原料となる綿や麻は、紛れもなく農業によって生産されてきたものです。
住まいに関わる建材やエネルギーを生み出す薪も、今でこそ「林業」と区別されがちですが、かつて「農業」と「林業」は今より密接に関わり合ってきました。
江戸時代後期に活躍した農政家・思想家「二宮尊徳」の銅像も薪を背負っていますよね。

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それこそBBQでよく使う段ボール入りの炭なんて、結構手軽な価格で買えてしまいますが、あれを自分で作ると考えるとかなり難しいと思いませんか?
結局のところ、私たちが快適に生活をしていくために、誰かに「無理強い」をし続けてきたわけです。
これから全人類が持続可能な社会を目指していく中で、本当に見直していくべき産業や取り組みを、そろそろ個人レベルでも考えていく局面まで来ていると思います。

おすすめレシピ「トマトのブルスケッタ」

お待たせしました!生産農家さんイチ押し料理のご紹介です。

おいしいトマトの生産者として評判高い辻岡さんは、ご自宅でどのように食べておられるのでしょうか。
今回は、辻岡さんのトマトだからこそ抜群においしい料理をご紹介いただきました。

「トマトの旨さがダイレクトに伝わってくる一品」

「この料理がおいしければ、今年のトマトは旨くできたと判断している」

「生で食べるより、素材の価値が分かるから不思議なんだよね」

辻岡さんが語ったイチ押しの料理がこちら↓

素材の旨さが分かる抜群のおいしさ
トマトのブルスケッタ

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材料(2人分)
フランスパン[バゲット]…6枚
トマト … 適量
バジル … 適量
ニンニク… 1/2かけ
オリーブオイル…適量

作り方
①バゲットにオリーブオイルを薄く塗り、トースターでこんがりと焼く。焼き上がったらニンニクをこすりつける
②トマトはヘタを取って5mm~1cm角に切る
③②とオリーブオイル大さじ2、塩小さじ1/4~1/3、手でちぎったバジル、粗びき黒コショウを混ぜ合わせ、冷蔵庫で冷やす
④食べる直前に①のバゲットに③をのせる

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イタリアやフランスでは、夕食は9時から。
そこで、仕事終わりにワインで軽食(食前酒)をとる習慣があり、アペリティフとかアペリティーヴォと言うそうです。
立ち飲みのようなお洒落なバーで6時頃にワインを飲むときに、このブルスケッタがよく出てくるイメージですね。

 

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辻岡さんがお話しいただく通り、トマトを切ってそのまま食べるのはもちろんおいしいですが、こうやって料理すると、トマトの素材の良さが分かります。

また、食べるなら出来立てが断然おすすめです。
カリカリ熱々のバゲットとキンキンに冷えたトマトの組み合わせ…悪魔的なおいしさですよ。

 

記事を最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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