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いちばんおいしいお米の食べ方は?|米農家にきいてみた

農家のこだわり

おいしい食べ方

自慢の特産品

2025.10.03

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私たちの生活に欠かせない「お米」。

今回は、米農家の上柳豊寿さんにお米のいちばんおいしい食べ方をきいてみました。

あわせて、いちばんおいしいお米の品種もお伺いしましたよ。

また、なんと今回はうれしい読者プレゼント企画を予定しています。
詳細は記事の後半で。

Umelスナップ

インタビュー

JA東びわこ組合員大学「あぐりライフ」第2期生、
愛荘町軽野の上柳 豊寿(かみやなぎ・とよかず)さん(47)にお話を伺いました。

食農物語第3話 父の背中を見てきた自分だからこそ農業を続けたい|上柳豊寿さん もぜひあわせてご覧ください。

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Qお米のいちばんおいしい食べ方を教えてください
A研ぎ方を工夫したり、炊く前に冷やすとおいしくなるっていう話をよく聞きますよね。
また父によれば、お米が育った水質に近い水で炊くのがよいと昔から云われているそうです。
「水稲(すいとう)」と漢字で書くくらい、お米づくりと水は関係が深いものですからね。

ただ、それ以上にお米をおいしく食べる方法があると私は思っています。
それはずばり、共感力を持ってお米を食べることです。

このお米はどんな人が、どんなふうに手を掛けて、どういう流通ルートを辿って自分の口に入るのか。
知らずに食べるのと、知って食べるのでは、味わいが大きく変わってくると思います。
それで言うと、農業を楽しみながら豊かな気持ちで育てられたお米は、間違いなくおいしいですよ。

また、お米に限らず農作業の体験もおすすめです。
情報化社会が進み、手軽に情報が手に入る今だからこそ、実体験の価値が高まっています。

私は、何も“苦労して育てた”お米を食べてほしいわけではありません。
農業の体験を通じて、私たち農家の想いや考えに少しでも共感して農産物を食べてもらえたらうれしいです。

「あのとき話した農家は、こんなこと言ってたな。少しわかる気がするわ」
「あの農家のお米を食べてみたいなぁ」
「この農家さんのお米だから値打ちがあるんだよね」
こんなふうに思ってもらえたら、お米を作っている私は最高にうれしく、「次もまたおいしいお米を!」とがんばれるのです。

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私たち農家と消費者の関係は、作ったものを消費者に届ける一方通行的な関係ではありません。
農家も消費者ですし、互いが互いをリスペクトし合って関係性を築いていくことこそが、これからの時代に私たち地域で暮らす人々が幸せに生活していくために欠かせないことなのではないでしょうか?

 

Qいちばんおいしいお米の品種は何ですか?
Aうーん、全部おいしいですよ(笑)
ただ、1人の米農家として最も思い入れが強いのは間違いなく「きらみずき」です。

皆さんは「きらみずき」という品種をご存知でしょうか?
令和6年に本格デビューした滋賀県独自の新しい品種です。
炊きあがりの色つや、一口食べた時の風味、噛むほどに広がるおいしさにおいて、既存の品種とは一線を画す存在だと個人的には感じています。

滋賀県では、琵琶湖の保全に留まらず、温暖化防止や生物多様性の保全など環境にこだわった農業をより深化させるため、「きらみずき」を持続可能なシンボルとして位置付けているんです。

そのため「きらみずき」の栽培方法は、オーガニックをはじめ、化学肥料(窒素成分)や殺虫・殺菌剤(化学合成農薬)を使用しない栽培に限定されているんですよ。

お米の味はもちろん、環境にも配慮することで、農業を将来に渡って持続可能なものにしていく「きらみずき」の考え方にも共感して食べてもらえるとうれしいです。

「きらみずき」の詳細については、ぜひ滋賀県のHPをご覧ください。
https://shigaquo.jp/torikumi/kiramizuki/

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これまで米づくりにおいては省力化が進められ、現代では何度も肥料を与えなくても効果を発揮する便利な「一発型肥料」をはじめとした化成肥料が主流になっています。
ところが化成肥料を使わない「きらみずき」の栽培では、田植えから収穫まで計4回も肥料を与える必要があるんです。

田植機で苗を植えると同時に散布できる基肥は便利でいいんです。
問題は、苗が発育するタイミングで撒く追肥と、幼穂という穂の赤ちゃんができる前後に撒く2回の穂肥です。
およそ15㎏の動力散布機を背負い、1袋20㎏の粒剤を入れて、1回の肥料散布で30a(=約3,000㎡)あたり9袋を田んぼの全面にまんべんなく撒きます。
これを合計3回です。
私は1.8ha(=18,000㎡)の面積で「きらみずき」を作付けしているので、計算するととんでもない量になります。
この作業がちょうど7~8月の夏場で、今年の夏は特に暑かったじゃないですか。
作業しながらフラフラ~っと気がおかしくなりそうでしたね(笑)

苦労した分だけ思い入れが強いと言われれば、否定はできません。
ですが、県やJA営農指導員と一緒においしい「きらみずき」を多くの方へ食べていただけるよう取り組んでいるところです。

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Q今後の目標を教えてください
A今年の5月に経営の主軸を父から私に変えたばかりなので、正直に言って私にはベテラン農家が持っているノウハウがまだありません。
そういった意味では、自分なりに日照時間や降雨、圃場の条件など米づくりを数値化し、経験の部分を見える化することに挑戦したいと考えています。

お米が収穫できるのは1年に1回。それに気象条件が毎年異なるので、簡単にはいかないと思います。
とはいえ、農業の後継者問題は待ったなし。私の後継者問題もすでに始まっています。
次の世代へどのような形で農業のノウハウを引き継ぐことができるのか、これからも私の挑戦は毎日続いていきます。

 

上柳さん、ありがとうございました。
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