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目指すのは「互いに声を掛け合い傍楽農業」|地域農業のEひと((農)軽野ファーム)

農家のこだわり

2024.11.01

7月号地域農業のEひとメイン写真

地域農業のEひと

農事組合法人軽野ファーム

代表理事上柳一幸さん(かみやなぎ・かずゆき)

水稲 小麦 大豆

目指すのは「互いに声を掛け合い傍(はた)楽(らく)農業」

法人が活気付けば地域も活気付く

国内資源を使用した小麦や大豆の需要に応じた生産による農地活用を目的に、平成29年から農事組合法人として地域の農地を担っています。

現在は45人の組合員でスローガンの「互いに声を掛け合い傍(はた)楽(らく)農業」を目指しているところです。

他の集落営農法人と同じく、当法人においても人員の高齢化や、特に平日の人手不足に悩まされています。

しかしながら、地域の新興住宅から「自分も地域の一員として交わりを深めたい」と、最近になって2人の若手が組合員として参加してくれることになりました。

このうれしいニュースを契機に、法人や地域が更に活気付くよう取り組んでいきたいと思っています。

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組合員が協同で行う農作業。互いの活発なコミュニケーションも大切です。

上昇気流に乗った矢先の出来事

軽野地域においては土壌が粘土質で、小麦や大豆の生産が非常に難しい問題があります。

だからと言ってあきらめるわけにはいかず、少しでも収量を改善して収益を確保しなくてはなりません。

そこで2年程前から、田んぼの地下に水路を作って水はけを良くする暗渠(あんきょ)排水を積極的に設置しています。

JAが示してくれる1市4町における小麦の収量ランキングでは、当初136戸のうち最下位から数えるような位置だったのが、昨年は69番目まで順位を上げることができました。

非常に手応えを感じており、このままどんどん上位を目指そうと盛り上がっていた矢先、今年4月に突然の雹(ひょう)が私たちの地域を襲ったのです。

ぐんぐんと生長していた小麦は、すべて茎が折れてしまい、本年産の小麦は全滅となりました。

P=茎がポッキリと折れてしまった小麦。初めて見たときは目を疑いました。
茎がポッキリと折れてしまった小麦。初めて見たときは目を疑いました。

受け入れ難い現実だからこそ

雹(ひょう)の被害により小麦が1粒も収穫できない現実は大変無念で、当法人の一同が肩を落としました。

ですが、自然を相手にする農業の厳しさを一挙に味わった私たちだからこそ、できることはないだろうかとも思うようになりました。

とりあえずは全員が前を向き、「次作こそ、高品質で高収量の小麦生産を目指そう」と意志を固めています。

そもそもの私たちの目的は、「自分たちの農地は自分たちで守る」ことに尽きます。

この当初の思いを忘れることなく、傍にいる皆が楽しくやりがいを持って農業を続けていける「傍(はた)楽(らく)農業」を実現できるよう引き続き取り組んでいきたいと思います。

P=地域に掲げた法人の名を汚さぬようしっかりと取り組みますので、地域の皆さまにおかれましては何卒ご理解とご協力をよろしくお願いします。
地域に掲げた法人の名を汚さぬようしっかりと取り組みますので、地域の皆さまにおかれましては何卒ご理解とご協力をよろしくお願いします。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

あなたの声援が、地域農業の後押しになります。

表紙

※この記事は、JA東びわこ広報誌「EひとEすと」令和6年7月号で掲載した内容です。