将来の地域リーダーが意見を交わす情熱の空間|JA東びわこ組合員大学「あぐりライフ」
農家のこだわり
活動レポート
2025.07.10

皆さんは、JA東びわこ組合員大学「あぐりライフ」という取り組みを耳にしたことはありますか?
今回は、令和7年7月2日に開催したカリキュラムの様子をご紹介します。
組合員大学「あぐりライフ」とは?
まず、組合員大学「あぐりライフ」は、組織や地域農業を牽引する将来の地域リーダー育成を目的とした取り組みです。
受講(参加)するのは、将来の地域農業を担っていく意欲のある方です。
農業経営への知識・技能・創造力、人間力の向上など充実した「学びの場」をJAが提供することで受講生が取り組みを通じて見聞を広め、広い視野を持つことで地域農業を継続させる力を養い、受講生同士のつながりを生み出していきます。
令和5年6月に開校後、1年次:基礎講座(Basicコース)、2年次:専門講座(Masterコース)を通じて様々な学びとつながりを深めていきます。

Masterコース第2期生講義|「農業経営とイノベーション」~食と農を繋ぐこだわり 実践編~
7月2日、JA全中の上野敏浩上席専門員を講師に招き、「農業経営とイノベーション」をテーマに学びを深めました。
参加したのは、専門講座(Masterコース)第2期生の皆さんです。

今回、「食」と「農」をつなぐこだわりを実践する先進的農業者としてゲストにお呼びしたのは、愛荘町で農業を営む冨永篤史さん。
生産した野菜をJA東びわこの直売所へ出荷するだけでなく、そこから生まれたつながりを活かして商圏を広げておられます。

注目すべきは、「農業は作って売るだけではなく、実り豊かな畑がその土地の風景を作り出し、おいしい野菜が食卓を楽しくする」といった考え方。
野菜を単にお金で買える作物として売るのではなく、顔の見える信頼関係に基づいて販路を広げる農業経営のスタイルです。
その実践事例を肌で体感するため、冨永さんの野菜を使って料理を提供する飲食店「リカズキッチン」の桑原里佳さんからも、料理人としての想いやこだわりをお聞きしました。


講義では、冨永さんと「リカズキッチン」さんが地域にもたらす提供価値を事例に、バリューイノベーションを起こす要因や可能性について意見を交換。
組合員大学「あぐりライフ」では、各々が出したアイディアの成否はひとまず置いておき、受講生自身のこれまでの経験や農業経営から考えディスカッションすることによって得られる知見を大切にしています。
参加した皆さんが前向きに、そして熱く議論を交わしあいました。




講義の本筋からは少しずれますが、議論の中で、こんな話題が挙がりましたのでご紹介します。
【農家が、農家だからこそ、消費者(地域住民の皆さん)に伝えたいこと】
●「農業の大変さを知ってほしい」とまでは言わないので、せめて農業に少しでも関心を寄せてほしい
●農業は、人間の生命と切り離せない第1次産業。なのに「自分が食べている米や野菜のことを知らない」というのは、大変具合が悪い
●自分たちが普段から食べている農畜産物に意識を傾けてほしい。そうしたら少しずつ社会は明るくなっていくはず
地域で将来を担う意欲のある参加者の皆さんだからこそ、その思いは真剣で、本気なんです。
組合員大学「あぐりライフ」のこれから
意欲ある若手農家の皆さんが集まり、“学びのサイクル”を生み出していく組合員大学「あぐりライフ」。
運営するのは、農家をはじめ、農家以外の地域住民も力を合わせて「持続可能な地域農業」「地域共生社会の実現」を目指していくための農業協同組合(JA東びわこ)です。
令和7年現在では第3期生まで受講いただいていますが、これからも永続的に続け、将来に渡って“学びのサイクル”をより深く強固なものへしていけるよう取り組んでまいります。

記事を最後までご覧いただき、ありがとうございました。