line

ベジフルフラワーで農産物の価値を高めたい|石田 千恵美さん

農家のこだわり

地域のお店・専門家

期待の若手農家

2025.10.21

DSC_4909

「食」・「農」・「地域」をキーワードに、輝く人物や取り組みを紹介する『食農物語』。

第8話は、ベジフルフラワーに取り組む「笑結の畑」の石田 千恵美さんをご紹介します。

プロフィール

Aim
ベジフルフラワーで農産物の価値を高めたい
Region
彦根市平田町
Name
笑結の畑
石田 千恵美(いしだ・ちえみ)さん(55)
Activities
◆ベジフルフラワーアーティスト・プロフェッサー(上級)
◆ブドウ栽培(令和7年度)
◆ブドウ栽培トレーニング施設受講生

DSC_4911

インタビュー

Q自己紹介をお願いします
A日本野菜ソムリエ協会が認定するベジフルフラワーアーティストとして、ベジフルフラワーのワークショップ開催や、ブーケを花束のようにGIFTとしてオーダー販売をしています。

地元のお野菜は、本当においしくて可愛いんです!
それらを食べられるブーケやオブジェに仕立てる体験を通じて、農産物の旬を知り、色・質感・形・味を楽しむ。そして、込められた生産者のこだわりや想いを感じてもらうことができると私は考えています。

そうした活動を通じて農産物のおいしさを伝えたい!価値を高めたい!と、4年前にベジフルフラワーに出会ってすぐ講座を受講し、昨年末にプロフェッサー(上級)の資格を取得し活動を始めました。

DSC_6651


Qなぜベジフルフラワーなのですか?

A長らくパートタイムで働きながら育児をしてきました。
子育ての目途がある程度立ったので、自分のやりたかったことができる時間を作れるようになったんです。

幼少の頃に田んぼや畑に触れてきた原体験があったので、農業に関わることがしたいとかねてから考えていました。
そこで、彦根市松原町で畑を借り、彩りのある野菜や西洋野菜を中心に野菜を作り始めました。

無農薬やオーガニックにこだわり栽培を続け、細々と販売してきましたが、とにかく野菜づくりは大変だと実感しました。
暑い日も寒い日も外で作業。土を起こすのも大きな機械が無いと重労働。丁寧に種をまいて育てた、わが子のようにかわいい苗も虫が食べ尽くします。

大変だからこそ、収穫の喜びはひとしおでした。
やっぱり手を掛けて育てた野菜はおいしい。たくさんの方に食べてもらい、そのおいしさを実感してほしいと考えていました。
ところが、少しでも珍しい野菜だと、全然売れないんですよね。

DSC_4963
DSC_4983

そんな中で出会ったのがベジフルフラワーです。
コールラビをはじめとした西洋野菜や、変わった色のニンジン・ダイコンなど、素敵な野菜たちが彩られているのを見て、「これだ!」と直感的に決めました。

単体では存在すら知られていない野菜でも、美しく組み合わせることで、その野菜の価値がぐっと高くなるんです。
何よりベジフルフラワーを通じて、初めての野菜に出会い、おいしさに出会い、生産者さんに出会う、そんなきっかけになると思いました。

そこに畑で苦労した経験やJA東びわこが運営する「ブドウ栽培トレーニング施設」で教えてもらった果物づくりの経験をプラスします。
私ならではの、私だからできる、ベジフルフラワーを通じて農産物の価値を高めることを仕事にしたいと考えました。

農産物は、出荷規格に合わないものだと畑の肥やしとして大量に土へ還すことが多々あります。
最近だと「トレビス」という珍しい野菜を栽培する農家さんをJAに紹介してもらったのですが、小さすぎるものはほぼ全部が廃棄になってしまうんだそうです。

DSC_3705

少量ですが小さなものを取引させていただき、大阪でワークショップを開きました。
「これって高級なレストランで料理に添えられているアレ?」
「なんて美しい野菜なの!?」
と盛り上がり、さらに私が聞かせていただいた農家さんのこだわりや想いをプラスして伝えることで、参加者さんに感動してもらうことができました。

ワークショップの翌日には、「おいしかった」「見つけたら購入します」とたくさんの感想や料理写真をいただき、トレビスの“おいしい”もちゃんと伝わっていました。

規格外でもベジフルフラワーに仕立て、その価値を生み出すことができるんです。SDGsです。
例えば、果物の枝や摘果した実など、食べられないものも使うことがあります。
食べられなくてもストーリーを伝えることはできますからね。

 

Q育児に追われて自分の趣味を作れない人へ、子育ての先輩としてアドバイスはありますか?
Aめっちゃ分かります、その気持ち!
やってみたいなぁと思うことができたとしても、実際にはなかなか時間が作れずに諦めてしまうことなんてざらにありますもんね。
人や家庭それぞれ育児に対する考え方があり、育児に専念したいという方もおられますし、育児と仕事に加えて趣味もバリバリやっている方もおられます。

でも、私の体感では「たまにはフッと自分の時間がほしい~!」と感じている方が多い気がします。
少しでも自分の時間を持つことで心に余裕ができ、子育てにも余裕や彩りが生まれるのではないでしょうか?
子どもたちは、笑顔のパパママが大好きですからね!

幸いにも今は、そういった困りごとを共有・解消する取り組みやイベントが各地で開催されていて、インスタグラムなどで告知を見かけますよね。
ぜひそういった輪に飛び込んで、色んな人とのつながりを作ることを断然お勧めしたいです。
不安や悩みを1人で抱えるとしんどいですし、いざという時は、そのつながりで助け合うこともできます。

私もベジフルフラワーの活動・お野菜を通じて、そんな場所づくりをしていきたいと思っています。
どの世代の人ともつながれる場(機会)があるといいですね。

95457A32-912A-48FC-916B-AED7F18CA53F
553070123_2567582306909608_2183389732607746573_n
553164463_1823909348513401_5732582435133365270_n
64C95E43-C5BB-4124-8A9B-B0F130D3CD33


Qブドウも栽培しているんですか?
Aはい。知人に紹介してもらったJA東びわこの「ブドウ栽培トレーニング施設」を受講したことがきっかけで、地域のブドウ農家さんから一部のハウスを1シーズンだけ任せてもらうことになり、とても楽しく学びの多い経験をさせていただきました。

収穫したブドウは「やさいの里二番館」をはじめとしたJA直売所に出荷し、大変ご好評をいただけたのがうれしかったです。

直売所にはたくさんの野菜や果物が並んでいて、眺めるだけでも素敵な気分になりますよね。ベジフルフラワーの素材も直売所で見て買って、そこから出荷者さんとつながらせてもらうこともあります。

また、ブドウだけでも複数の出荷者さんが出しておられます。
言い方ひとつではありますが、いわば競合が多い状態ですね。
そこで私のブドウだと一目でわかってもらえるよう、パッケージに飾り紐を付けて販売するようにしました。
「縁結びの赤い糸」がイメージです。

551872099_1367923814966970_39916722851310628_n

並べる果物にひと手間を加え、その価値をさらに高められるようにすることが大事だと思っています。
可愛くあしらったブドウたちが並んでいる姿には、我ながらキュンとなります。

残念ながらブドウのハウスを任せてもらえるのは1シーズン限りでのお話だったので、現在はトレーニング施設のブドウのみ管理しています。
労力不足などで手が掛けられないなどといったブドウの話があれば、ぜひご一報いただけると幸いです。

 

 

記事を最後までご覧いただき、ありがとうございました。

DSC_4898

~野菜はおいしい・お野菜大好き・野菜が好きになる~
「笑結の畑」石田 千恵美さんのインスタグラムはこちら↓

 

 

食と農の隙間を埋めるWEBマガジン「Umel(ウメル)」では、コンセプトに共感いただける方や飲食店などのお店、団体とのコラボを絶賛募集中です!

お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

 

他の記事をみる

 

 

Umel(ウメル)のInstagramでは、載せきれなかった写真や取材のウラ話を掲載しています。
ぜひフォローをお願いいたします。