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静かに根を張る、誇りの仕事。|株式会社スマイルエンジニア 原田 紗季さん

農家のこだわり

2026.07.23

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「食」・「農」・「地域」をキーワードに、
輝く人物や取り組みを紹介する『食農物語』。

第16話は、地域で働く人の誇りをつくる
原田 紗季さんをご紹介します。

プロフィール

Aim
地域で誇れる「食」の仕事をつくりたい
Region
愛荘町平居
Name
株式会社 スマイルエンジニア
代表取締役社長 原田 紗季さん(26)
Activities
◆しいたけ生産・販売
◆農福連携
◆就労継続支援A・B多機能型事業所

インタビュー

Q 自己紹介をお願いします
A 農福連携でしいたけの生産・販売を行う株式会社
スマイルエンジニアで、代表取締役社長を務めています。

弊社は、いわゆる就労継続支援を行う、多機能型の事業所です。

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利用者の皆さんが笑顔で働き、技術を身につけた職人として社会に貢献できるよう、
しいたけの生産・販売をはじめとする活動を通じて、知識や能力を高めるための訓練を行っています。

 

Q 社名の由来は何ですか?
A 「スマイルエンジニア」は、東日本大震災のボランティア活動で立ち上げた団体名なんです。

当時、父が町内の仲間とチャリティーTシャツを制作し、その売り上げを義援金として届けていました。
私はまだ小学生で、そのTシャツをクラス全員で着て組体操をしたことを今でもよく覚えています。

父が作った服をみんなが着ている光景は、少し照れくささもありましたが、
それ以上に「自分のお父さんが関わっている」ということが、どこか誇らしかった記憶があります。

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グッズは今も弊社の直売所で販売しています♪

 

Q なぜこの事業に携わろうと思ったのですか?
A 一番大きかったのは、父のもとで働ける安心感だったと思います。

もともとは保育士になるのが夢で、大学でもそのための勉強をしていました。
ですが、大学を卒業する頃はちょうどアフターコロナ。
先行きが全く見えない状況の中、大きな迷いと葛藤がありました。

そんなタイミングで、父が福祉事業を立ち上げることになったんです。
父の「一緒にやらへんか?」
そのひと言が、私の人生を大きく変えました。
福祉のことも、しいたけのことも、何ひとつ分かりませんでしたが、父と一緒ならやってみようと思えたんです。

今の夢は、海外進出です!
弊社のしいたけを海外でも売れるようにできたら最高ですよね。

あの時の父のひと言が、何事にも前向きに挑戦できる私を育ててくれたのだと思います。

 

 

Q おすすめの食べ方はありますか?
A 一番のおすすめは、しいたけの唐揚げです。

小ぶりのしいたけに水溶き唐揚げ粉を付けて揚げるだけですが、
衣はサクサク、中はとってもジューシーで、本当においしいんです!

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各種サイズのしいたけや加工品を、JA東びわこ農産物直売所「やさいの里あいしょう館」などへ出荷していますので、ぜひ一度味わっていただきたいです。

 

Q しいたけは好きですか?
A じつは、嫌いというほどではありませんでしたが、自分から好んで食べることはあまりありませんでした。

今はもちろん、大好きですよ(笑)

嫌でも毎日のように食卓に並びますが、本当にいろいろな料理に合うんですよね。
焼いても、煮ても、揚げてもおいしいですし、どんな味付けにも自然と馴染んでくれます。

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主役になることは少ないかもしれませんが、料理全体をまとめてくれる名脇役。
ヨッ!最優秀助演男優賞!と言いたくなる存在です(笑)

 

Q 社長になってから、印象深いエピソードはありますか?
A 利用者や職員の皆さんに、毎日支えてもらっていることですね。

この事業に携わってからの4年間、本当に数え切れないほど失敗してきました(笑)

それでも皆さんは温かく受け入れてくれて、ときには私を頼ってくれる。
本当に自慢の職場です。

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だからこそ、「ここで働けてよかった」「ここじゃなきゃだめだ」と心から思ってもらえる場所をつくることが、私の役目だと思っています。

 

Q この仕事をして一番良かったことは何ですか?
A 「食」に携われたことです。

特に子どもが生まれてから、その意味の重さが一気に変わりました。

以前の私は、スーパーで並ぶ食材を見ても、産地を確認する程度で、
誰が、どんな思いでこれを作っているのか」を深く考えたことはほとんどありませんでした。

でも今は違います。

JAの直売所へしいたけを出荷するようになってから、たくさんの農家さんと出会いました。
年配の方が多いイメージを持っていましたが、実際には若い方も多く、
それぞれが自分の畑や作物に誇りを持って向き合っている
その姿がとても印象的でした。

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JA直売所に出荷するしいたけは、このシールが目印

 

忙しい合間を縫って出荷に来られても、皆さんは本当に明るくて、気さくで、
「今日もようできたで」と笑って話しかけてくださる。
その何気ない一言に、どれだけの手間と時間と覚悟が詰まっているのか、今なら少し分かります。

そこで気づいたんです。

地域の「食」を支えているのは、
遠くのどこかではなく、この地域で毎日、作物に向き合っている人たちなんだと。

そして今、自分たちもその“流れの中”にいる。

利用者や職員の皆さんが力を合わせて育てたしいたけが、同じように地域の食卓へ届いていく。
その一部を担えていることが、ただただ誇らしいです。

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「食」に関われているというより、
“食の循環の中に立たせてもらっている”──そんな感覚に近いですね。

これほど責任があって、これほどうれしい仕事はありません。

これからも利用者や職員の皆さんと力を合わせて、胸を張って「おいしい」と言ってもらえるしいたけを、
多くの人へ届けていきたいと思っています。

 

Q 個人的な目標はありますか?
A 父に恩返しをすることです。

今はまだ、父の背中を追いかけるばかりです。
複数の事業を同時に動かしながら、どれだけ仕事するねん!と思うくらい、本当に働く人なんです(笑)

いつも近くで見ていて、「この人には敵わないな」と感じます。
だからこそ悔しい気持ちもあります。

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いつか私が一人前になって、父や母を支え、引っ張っていける存在になることが目標です。
その成長が、利用者や職員の皆さんへの恩返しにもなり、地域への恩返しにもつながると思っています。

今はまだまだひよっこですが、私の挑戦は始まったばかりです!
地域の皆さん、これからもよろしくお願いします。

 

 

最後まで記事をご覧いただき、ありがとうございました。

誰かの仕事が、誰かの暮らしを支えています。
そのやさしい循環が、
今日もこのまちで、静かに育っています。

 

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