毎日食べても飽きないナス レシピ|ベテラン農家にきいてみた
農家のこだわり
おいしい食べ方
旬の食材(春夏)
2025.06.26

ナスが旬の時期を迎えています。
煮る、焼く、揚げる、漬けるなど用途が広い万能野菜のナス。
ナスを栽培する農家さんは、家庭でどのように食べているのでしょうか。
農家さんが本当におすすめするレシピを聞いてみました。
Umelスナップ
馬場委平さんのこだわり
春キャベツの記事にもご出演いただいた馬場さん。
「私のメインはナスなんよ。ぜひナスの収穫が始まったらまたおいで」と話してくださいました。
そんなわけで、「Umel(ウメル)」初のおかわり企画は彦根市高宮町の馬場委平さん(74)です。

Q馬場さんが栽培するナスについて教えてください
AビニールハウスでナスをつくってJAを通じて市場へ出荷するほか、「やさいの里二番館」「やさいの里」にも並べています。
※野菜は工業製品ではなく農産物です。天候や生育の状況によっては店頭に並ばない場合がございますのであらかじめご了承ください。
品種は、濃い紫色でツヤツヤ、柔らかい果肉で調理の幅が広い「千両2号」というナスです。
みずみずしいナスは暑い夏にピッタリで、どんな料理にも合いますよね。
「焼いてよし・揚げてよし・煮てよし」のナスは、調理の仕方で千差万別のおいしさが生まれるので、味はあなたの腕次第。
まさに、私が追求する毎日食べても飽きないおいしさを体現する野菜だと思います。

Qナス栽培で苦労することはどんなことですか?
A「葉(は)かき」という作業だと個人的には思います。
生い茂った葉っぱを取り除いて風通しや日当たりを改善するこの作業が、おいしいナスを育てる秘訣です。
この作業の何が大変って、ビニールハウスの中に入らないといけないことです。
朝5時くらいから収穫を始めて出荷し、また10時から12時くらいまで葉かきや成長調整剤の噴霧をするのですが、朝方でもビニールハウスの中は灼熱です。
7月に入ったらハウスの中にいるのはせいぜい1時間程度が限界ですね。
もう、頭からつま先まで全身汗まみれ。
5月から収穫が終わる9月中旬まで、毎日しているんですよ。

今だからこそ話せるのですが、昔に中学生の職場体験を受け入れたことがあります。
ビニールハウスの中に入った子たちが、ものの数分で出て行ってしまいました!
「そんなところで中学生に作業させたらアカンやろ!」と怒られましたね(笑)
でも、それが農家のリアルなんです。
作業が終わって自宅で飲むビールのおいしさを知っていたら、もう少しがんばっていたのでしょうか(笑)
Q大変な作業を続けるコツはありますか?
私も人間なので「今日はしんどいし、もうやめとこうか」と思うこともあります。
ですが、ナスを食べてくれる人の顔を想像するとサボれませんね。
1日でもサボってしまうと病害虫が発生するリスクが高くなり、ナスの色も悪くなってしまうんです。
逃げずに作業に向き合うコツは、勢いをつけることです。
「とにかく今日もやるぞー!」と、自分を奮い立たせるんです。
近頃の若者はすぐに逃げ出す… とか私は言いたくはないのですが、ぜひこのコツを参考にしてもらえるとうれしいです。



おすすめレシピ「ナスと身欠きニシンの煮物」
皆さんは、「身欠きニシン」ってご存知ですか?
内臓や頭を取り除いて干物にしたニシンを言うそうです。
栄養価に優れ、流通が発達していなかった昔から重宝されてきました。
身欠きニシンは“戻す”工程が必要ですが、ソフト干しタイプも売られているので代用してもよいかもしれません。
馬場さんのお宅で圧倒的一番人気のナス料理がこれだそうです。
また、「私のナスでしかおいしく炊けないんよ」とも話されていました。
そこまで豪語されるくらいだから少々の手間を掛けてでも、馬場さんのナスをJA直売所で探して本干しの身欠きニシンと一緒に食べてみたいですよね!
※馬場さん曰く、本干しの身欠きニシンは、この辺ではフタバヤさんでしか売られていないそうです!
そんなわけで実際に作ってみました。
確かにそこまで言っていいおいしさ
ナスと身欠きニシンの炊いたん

- 材料(2~3人分)
ナス … 3本程度
身欠きニシン … 2本程度 - 【以下、Ⓐの材料】
水 … 200cc
しょうゆ … 大さじ2
酒 … 大さじ2
みりん … 大さじ2
砂糖 … 大さじ2 - 作り方
①戻した身欠きニシンを4cm幅に切る
②ナスは縦半分に切って皮に切れ目を入れ、斜め切りにする
③サラダ油をひいたフライパンでナスをサッと炒める
④鍋でⒶを温める
⑤落としぶたをして、つやが出るまで弱火で煮たら出来上がり



想像を超える「飽きないおいしさ」がそこにありました──
いくらでも食べられます。ほんとに。
家庭によって切り方や味付けが異なると思いますので、ぜひアレンジしてみてくださいね。
記事を最後までご覧いただき、ありがとうございました。
食と農の隙間を埋めるWEBマガジン「Umel(ウメル)」では、コンセプトに共感いただける方や飲食店などのお店、団体とのコラボを絶賛募集中です!
お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
Umel(ウメル)のInstagramでは、載せきれなかった写真や取材のウラ話を掲載しています。
ぜひフォローをお願いいたします。