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困っている地域農業を救うのが夢|地域農業のEひと(西田昌起さん)

農家のこだわり

期待の若手農家

2024.11.01

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地域農業のEひと

彦根市田附町

有限会社びわこ農産 西田昌起さん(30)

主な生産品目
水稲 小麦 大豆 ソバ

困っている地域農業を救うのが夢

目の当たりにして感じた重圧

大学卒業後に県外の農業生産法人で経験を積み、父の後継者として当社に勤めて5年の月日が経ちました。

どこへ行っても「祖父や父の息子」と認識してもらうことが多く、これまでの実績や歴史の偉大さを痛感する毎日です。

また、青年農業者クラブで会長を務めさせてもらう機会があったのですが、周りにいる農家のレベルの高さにも脱帽するばかりです。

正直に言うと、自分が当社や地域農業の伝統に泥を塗ってしまわないか、大きな重圧がのしかかっています。

でも、だからこそ、そんな最悪なことにならないよう毎日懸命により良い農業経営とは何かを考えて動き回っています。

この顔を覚えてください。西田昌起です!
この顔を覚えてください。西田昌起です!

きっと一生忘れない経験

自分の同級生が家庭を持つ年代になりました。

当社の米などを友人に買ってもらう機会があるのですが、「マッキー(昌起)の米はうまい!」と、友人が親戚にまで紹介し購入してもらえたことがありました。

当社全体からするとわずかの売り上げかもしれませんが、祖父や父ではなく自分だからこそ買ってもらえた経験がうれしくて、今でも友人の顔を思い出すと笑顔になります。

そして、それは自分が手掛けた農産物で誰かを笑顔にするといった農家の原点のような体験でした。

「初心忘るべからず」とよく言いますが、この経験を10年後、20年後も忘れないよう、おいしく安全なものをできるだけ安く皆さんにお届けしていきたいと思います。

食べる人の顔を思い浮かべると、すべての作業に手抜きなしです。
食べる人の顔を思い浮かべると、すべての作業に手抜きなしです。

厳しいからこそできることがある

農地を預けていただいている地主さんはもちろん、集落や地域全体が、私にとって真正面から向き合うべき相手だと思っています。

集落内で家や農地を手放される話を聞くと、悲しい気持ちになります。

確かに、農業は厳しい世界で「楽しいから農業やろうよ」と手放しには言えないのが現実です。

しかし、人間にとって欠かせない「食」は、集落機能から生み出されているものです。

そういった意味で将来は、地元はもちろん、あるいは県外などで本当に困っている地域をこの手で助けられる存在になるのが私の夢です。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

あなたの声援が、地域農業の後押しになります。

最後

※この記事は、JA東びわこ広報誌「EひとEすと」6月号で掲載した内容です。