多賀にんじんの旨味を引き出す料理を考えた|彦根総合高校フードクリエイト科
自慢の特産品
地域のお店・専門家
活動レポート
2025.02.19

彦根市芹川町にある彦根総合高校。
卒業と同時に国家資格の調理師免許が取得できるフードクリエイト科をご存知ですか?
包丁の基本的な使い方から、様々な知識や技術を習得することで本格的なフランス料理や日本料理、中華料理が作れるまで指導を受けることができるそうです。
JA東びわこ広報誌「EひとEすと」では、定期的に彦根総合高校フードクリエイト科の皆さんが考案したレシピを掲載しています。
今回は、3月号の掲載に向けて「多賀にんじん」を使ったレシピを考案&試作してくれた様子をご紹介いたします。
※広報誌「EひとEすと」3月号は、3月上旬に組合員宅へ配布するほか、支店などの各事業所に設置いたします。
ぜひご覧ください。
まずは打ち合わせ
今回、3月号の掲載に向けてお隣・多賀町の特産品「多賀にんじん」を使ったレシピを考えてくれたのは、1年生のチーム:トリプルTの3人です。

まずは、「多賀にんじん」にはどのような特徴があるのかを確認します。
「多賀にんじんクラブ」の8戸が約2.1haの面積で栽培する「多賀にんじん」は、40年以上前から安全とおいしさにこだわっています。

また、多賀町の厳しい寒さを乗り越えるため、甘く仕上がるのが特徴です。
ニンジン嫌いな子どもが、「多賀にんじんならおいしく食べられる」と口をそろえて話すのだとか。
「多賀にんじんの旨味を限界まで引き出せるレシピが良いな」
「他の野菜との相乗効果も狙えるよね」
「やっぱり簡単なのが家庭でもうれしいでしょ」
などなど、3人の間で活発な意見が飛び交います。
最終的には先生が少しだけアドバイスしてレシピを整えました。
意識したポイントは、
①カロリー低めで温かい食事
②素材の味を活かした飽きない味わい
③特に「多賀にんじん」の良さが分かるように
です。

いざ試作
1年生のカリキュラムでは、座学が中心。2年生から本格的な調理実習が始まります。
そのためまだまだ慣れない手つきで、先生の指導を受けながら下ごしらえをしていきます。



そんなこんなでしばらくすると…
ジャジャ~ン!完成!!
「多賀にんじん」が主役
素材の旨味あふれる至福の寄せ鍋

材料 5人前
多賀にんじん 適量
エノキ 1/2パック
シイタケ 5個
ハクサイ 1/8玉
シュンギク 1束
鶏もも肉 1枚
合わせ調味料
水 400cc
濃口しょうゆ 40cc
みりん 40cc
作り方
1.多賀にんじんは3cmの拍子木切りにする。
2.エノキは石づきを取り除きほぐす。
3.シイタケは軸を取り除き、かさの部分に十字に飾り切りをする。
4.ハクサイは芯部分を斜め切りに、葉部分を4cmのざく切りにする。
5.シュンギクは葉を摘む。
6.鶏もも肉は、斜めに薄くそぎ切る。
7.鍋に①②③④の芯部分⑥と合わせ調味料を入れて火にかける。
8.鶏もも肉に火が通ったら、ハクサイの葉と⑤を入れて完成。
調理のポイント
・多賀にんじんは、ぜひ食感を残すため拍子木切りにましょう。
・ハクサイの葉やシュンギクはすぐに火が入るので、最後に入れることで色が飛ぶのを防ぎます。
・鶏もも肉は火が入りにくいので、斜めに薄くそぎ切りにすると時短になります。

取材を終えて

彦根総合高校フードクリエイト科とは、学生レストランで取材をさせていただいたのがきっかけで広報誌「EひとEすと」レシピコーナーへの寄稿が始まりました。
過去には認知症の理解を呼び掛けるJA助けあい組織「陽だまりの会 たん・とん」とコラボし、互いの得意分野を伝え合うことで学びを深める学習交流会を開いたこともありました。


そういった定期的なお付き合いで、度々フードクリエイト科にお邪魔するのですが、いつ行っても生徒の皆さんの眼差しは鋭く、本気で取り組んでいる様子がひしひしと伝わってきます。
中学卒業後、明確なビジョンを持たずに普通科へ進学する人も多い中、自身の将来を見据えて進学先を選択されているのがすごいと思います。
取材を受けてくれた1年生のチーム:トリプルTの3人に、将来の夢をきいてみました。
「いつか自分の店を構え、料理で人を幸せにしたい」
「キッチンカーで全国を飛び回る料理人になりたい」
「まだ決まった夢はないけど、笹井先生の指導を受けたくて入学した」
3人の思いはそれぞれですが、眼差しは真剣そのものです。

今後も彦根総合高校フードクリエイト科とJA東びわこは、米粉麺の活用や「多賀にんじん」の栽培体験等を通じたコラボを実施してまいります。
読者の皆さんもぜひ一緒に、「食」や「地域」を通じて地域農業を盛り上げていきましょう!!